土壁のリフォーム方法について主に3つの方法がありますが、
費用の観点から考えた場合、どのような傾向があるのか比較していきます。
まず最も費用がかかる方法は土壁を塗り直す方法です。
工事を行う左官業者などによってその値段はまちまちで、
特に漆喰や特殊な材質の土壁の補修工事を行う場合は、
工期の長さや材料費、工事を行う職人さんの人数などによって工事費用がかさんでいきます。
漆喰は材料としては安価ですが、下塗りや中塗りなどの作業工程に時間がかかるため、
結果的には高い費用がかかってきます。
珪藻土などの材料は漆喰ほどの複雑な作業工程がない代わりに、
材料費そのものが高いなど、それぞれの材質によって長所と短所があるようです。
土壁の塗り直しでの一般的な相場は、
依頼する工事会社や材料費などによって大きく変動はあるものの、
一般的に一平米あたり10000円以上の工事費がかかってくることが多いようです。
土壁の材料が特殊であったり、土壁の骨組み部分の補修が必要であったりする場合は、
工事を請け負ってくれる業者の数自体が絞られてしまうので、
費用はさらにかかってくるものと考えておきましょう。
土壁をプロに塗り直してもらう方法より安くつく方法が、クロスによる張替え工事です。
この方法は土壁リフォーム工事では最もメジャーな方法で、
取り扱っている業者や材質、クロスの商品ラインナップなどが豊富にありますので、
複数の業者に相見積もりなどをとりながら、
自分たちのニーズに合った工事方法を選択していくことができます。
クロスの張替え工事では主に2種類の方法があることをご紹介しましましたが、
費用という観点からみると、土壁にクロスを直接張っていく方法の方が安上がりです。
ただし土壁の損傷が大きい場合は、
合板や石膏ボードにクロスを張替える方法にせざるを得ないことが多いです。
この方法では材料費や工事費が追加してかかるため、
クロス張替え工事としては比較的大がかりなものとなります。
クロスの材質によっても費用の差があり、
最も人気のあるビニルクロスが材質としては安価で工事もしやすく、
デザインバリエーションも豊富にそろっているために使用頻度の高い材質となっています。
通気性や吸音性、調湿性能などの機能性や、
和紙や珪藻土などの和風仕上げにこだわりたいといった場合は、
価格設定が高めのクロスを選ばなければなりませんから、
工事費、材料費ともに高くなっていく傾向にあります。
DIYによる土壁リフォームは3つのリフォーム方法の中では最も安価な方法になりますが、
自分ですべての作業を行う手間と時間を確保しなければなりません。
使用する塗料は補修する壁に合ったものを選ぶ必要がありますし、
乾燥のスピードが長めの素人向けのペンキや補修素材は、乾燥スピードの速いプロ向けの材料よりも若干価格が高くなっています。
そのため材料の選定の際は、自分の腕前や素材のマッチングなどを考慮して最適なものを選ばなければなりません。
補修部分が大きい場合は下塗りやマスキングテープを張る作業だけをプロに任せて、
仕上げだけ自分でやる、という方法もあります。