やまだ業務店

左官職人の歴史と魅力

美しい漆喰塗の壁を持つ日本家屋。その壁を塗る仕事をしているのが「左官職人」です。

日本の左官技術は海外からも注目されるほど高く、

その秘密は長く続く左官職人の歴史の中で生み出されてきた道具や技術にあります。

▶︎左官職人とは

左官職人とは、代々受け継がれてきた伝統技術を用いて建築に携わる職人を指す言葉です。

建築に携わる職種のひとつに大工がありますが、左官職人と大工の仕事内容は全く異なっています。

大工は”組み立て作業”を請け負っているのに対し、左官職人は”仕上げ作業”を請け負うのが基本です。

左官職人が行っている主な作業として、左官壁の塗り上げがあります。

左官壁とは漆喰・土壁・聚楽壁・小舞壁(竹を組んだもの)などのことで、

断熱性に優れ温度を一定に保ち、湿度を調整するという長所を持っています。

この左官壁を専用のヘラや鏝(こて)を使って塗り上げていくのが、左官職人最も有名な仕事のひとつです。

 

▶︎左官職人の歴史

左官職人のルーツは非常に古く、縄文時代にまで遡ることができます。

縄文時代に壁の材料として土が使われたのが飛鳥時代になってさらに技術が進歩し、

安土桃山時代になると茶室に聚楽壁という壁が使われるようになりました。

江戸時代には漆喰が登場し、また壁を仕上げるための建築技術だけなく、

鏝を使った鏝絵が描かれるなど芸術としての価値も高めました。

 

▶︎左官職人が使う道具

左官職人の代名詞ともいえるのが鏝。

実は海外にも塗り壁という技法は存在しているのですが、

鏝の種類の豊富さが日本の塗り壁とは大きく異なっている点です。

海外に比べて日本の鏝は種類が非常に多く

11種類の鏝を壁の材料や場所、工程などに応じて使い分けているのが特徴です。

 

▶︎左官職人の現状

多くの伝統産業と同じように、左官職人は担い手を確保することに苦戦しており、

さらに、築業界の中でも特に高齢化が進んでいるため大変厳しい状況に置かれています。

左官としての技術を継承する担い手不足の課題を改善するために、

左官業界は従来の育成方法を見直し、現代にあった育成法であるモデリングを導入しました。

また以前は肉体労働のイメージが強く持たれがちでしたが、

最近では漆喰の彫刻や鏝絵など芸術性の高さもクローズアップされてきています。

こうした育成方法やイメージの変化に伴って、芸術志向の若い世代や女性などの新たな人材の獲得しつつあります。

 

▶︎左官職人の魅力

左官職人は長い歴史を持ち、技術が進歩する過程で漆喰・土壁・聚楽壁・小舞壁などが生み出され、

高い技法の上に芸術と伝統を築き上げています

ただ壁を塗るだけの地味で面白みのない仕事に思われるかもしれませんが、

左官としての技術を習得するためには10年単位の長い年月をかけなくてはいけません。

それほど高度な技術を要求される仕事なのです。

一朝一夕に習得することができないからこそ後進が育ちにくくもありますが、

なにか一つのことを極めて信頼を得る仕事がしたいと思う人には左官職人はもってこいです。

日本人ならではの芸の細やかさを随所に感じながら仕事をすることができ、

海外からも瞠目される日本の左官技術の高さを誇りに思えます。

職人気質な仕事がしたい、伝統文化を伝えられる仕事がしたいという人は、左官職人を目指してみてはどうでしょうか。