日本の伝統的な壁面の施工技術、それが土壁です。
長い日本の歴史がはぐくんできた土壁は、その独特の色合いや風合いで現在も根強い人気を誇っています。
しかし、その土壁も長い年月を耐えるには補修工事をある程度の期間ごとに施工する必要があります。
今回、この土壁の補修工事について、費用目安の紹介や混同されがちな砂壁との違いも交えながらまとめました。
これを読めばきっと左官職人の技術が光る土壁の補修工事について知ることができるのではないでしょうか。
改めて知りたい土壁について:砂壁との違い
土壁とは、藁すさと呼ばれる藁を加工して作った繊維を用いて土と混ぜ込み塗布して施工する壁です。
藁すさは、関西ではすさ、関東ではつたと呼ばれる建材で、
壁の強度を増したり、亀裂を防いだり、様々な加工に耐えられる強度を壁に与えます。
この技術は日本の古い建築にも多く用いられているものです。
現在は和室の内装などに用いられることも多くなりましたが、かつては外壁材として主流でした。
湿度の調節が可能で、断熱性も優れており、一年を通じて快適な環境を提供してくれるメリットや
左官仕上げと呼ばれる職人の技術が光る風合いが楽しめます。
また、消臭効果も指摘されているだけでなく、
天然素材なので近年問題になっているシックハウス症候群の対策としても注目されている壁です。
一方、砂壁は、砂を用いて壁面に利用しているもので、ザラザラとした手触りが特徴です。
これらの違いは、触った感じや吸水性で簡単に見分けられることができます。
触った感じとしては土壁はつるつるとした滑らかさがあるのに対し、砂壁はざらざらしています。
また吸水性は土壁が霧吹きした水を吸い込み、砂壁は水滴となってはじくというのが違いです。
いずれも天然素材という共通点があるものの、経年劣化は避けることができませんから、補修工事が必要になります。
今回は土壁補修工事の費用目安にフォーカスしていきます。
土壁補修工事の費用目安
土壁の補修工事の費用目安は8畳の面積で約10~20万円程度です。
この価格差は施工内用によって異なります。
安いものでは、内装の場合、土壁を壁紙に張り替える補修工事や土壁をペンキで塗装する工事の場合で8畳10万円程度、
土壁に再度漆喰(消石灰を原料とする建材)や珪藻土(藻類の殻の化石を原料とする建材)など
他の建材に塗り直すぬり壁というリフォームで8畳20万円程度です。
もちろん地域差や施工会社によって費用は異なります。
しかし、基本的にぬり壁による補修工事の方が塗装やクロスへの張り替えよりも高額なことが多い傾向です。
まとめ
日本の伝統技術は数多くありますが、壁面に関しては土壁が一大ジャンルとして君臨しています。
そんな土壁も補修工事が必要な場合があり、その相場としては8畳で約10~20万円です。
補修工事をすることで、より独特の風合いが引き立ちますので、検討してみるのもおすすめです。