建物を作り上げる際には様々な工程があります。
美しく外壁などを塗り上げる左官業もその工程の一つです。
左官は塗り上げを行う専門の職人で、日本では古くから存在していました。
コテを使って丁寧に作業する様は、
機械が高度に発達した現代社会においても特筆しており、見事な技術です。
▶︎左官技能士について
左官職人、という言葉がありますが、専門の資格としては「左官技能士」が知られています。
左官技能士は厚生労働省が管轄している国家資格で、技能の能力を示す資格です。
3級は職業訓練校経由で受験資格が得られるので、広く門戸が開かれている資格です。
男性の職人が多い左官ですが、最近では後継者不足や左官の復興を目指す傾向もあり、
女性職人を求める求人も増加しています。
繊細で美しい技術は女性を魅了する豊かな技術でもあります。
左官技能士は2級からは実務の経験を要しています。
2年以上の実務経験があると、2級の受験資格が得られます。
多くの左官職人はこの2級をまず目指すところからスタートします。
2級を取得すると工事を任されることも増え、やりがいも大きくなっていきます。
墨出しの技術や図案の作成などは美術系の学生にも人気があり、
特に古い建築が多い場所では学生が左官技能士を目指す場合もあります。
左官職人が多いとそれだけ美しい日本建築が可能となるので、職人の増加は業界全体の課題です。
1級左官技能士は7年以上の実務経験が必要となります。
塗るだけではなく、研ぐ技術、洗練された削りなども実技には必要となり、
高度な技術と知識が無ければ受験することが出来ません。
漆喰や石灰など、材料に関する知識も必要です。
左官とは美しい工程としても魅力がありますが、
建物をカビなどから守り、丈夫にする効果もあります。
技術者として監督業や指導者になる特級は、1級取得後5年以上の実務が必要です。
大工だけでは仕上がらない建物の決め手となる作業です。
自然由来の素材で仕上げるため、身体への安全性も高く、近年人気が再興しています。
化学物質を出来るだけ減らせる左官の技術が持つ安全な仕上げは、
今後も需要が高まっていくでしょう。
▶︎まとめ
左官技能士は日本古来の塗の技術を守るために、大切な資格として広まっています。
シンプルな道具と確かな技術で建物を仕上げていくのは、繊細ながら豊かな仕事です。
資格の所有は就職や転職の際にも有利になるので、
まずは気軽に挑戦できる3級の取得からはじめてみてはいかがでしょうか。