前回、日本で昔からよく使われる”漆喰”と”珪藻土”の特徴をご紹介しました。
今回は外国生まれの塗り壁の素材をご紹介します!
とても魅力的なものばかりなので、ぜひ候補に入れてみてください♪
〈左官仕上げ材料3〉スイス生まれの漆喰(カルクウォール)
同じ漆喰でも、日本の漆喰とスイス漆喰はテクスチャーがまったく異なります。
スイス漆喰は、その名のとおりヨーロッパで3000年以上も前から使われてきた伝統的な塗り壁です。
日本の漆喰はフラットに仕上がるのに対し、こちらはテクスチャーがはっきりとあらわれる仕上がりに。
壁の存在感をしっかりと強調します。
真っ白な壁に光があたると、礼拝堂のように荘厳で包み込むような優しさが生まれます。
スイス漆喰であえて壁の存在を強調し、異国情緒をたのしんでみてはいかがですか。
〈左官仕上げ材料4〉海を感じるイタリアンスタッコ
イタリアンスタッコとは、イタリアの漆喰のこと。
ベネチア共和国時代に生まれたことから”ベテチアート”と呼ばれることもあります。
当時も大理石が高価だったことから、その大理石に少しでも近づけるようにつくられた漆喰です。
成分は石灰と大理石のパウダー、そして顔料。日本の漆喰よりも強い光沢を持たせることができます。
パール感のある上品な天井には、窓の外の海が映り込むようです。
静かに波の音に耳を傾けたくなるような、幻想的な空間が誕生します。
〈左官仕上げ材料5〉存在感があるモルタル
モルタルはセメントと砂を混ぜたものです。
コンクリートとの違いを聞かれることがありますが、
モルタルにはコンクリートのような砂利が加えられておらず、磨くと滑らかな質感に。
リノベーションでは、無骨だけど上品なテイストを演出したい時に使われます。
右手の壁は、黒いモルタルに白いモルタルを重ねてクールなムラ感を。
正面のキッチンカウンターの壁は、亜麻色のモルタルに白いモルタルを重ねてやわらかなイメージに。
左官職人さんの腕が問われる仕上げですので、ぜひ熟練した方にお願いしましょう。
まとめ
左官仕上げによる塗り壁の魅力をご紹介しました。
今回ご紹介した素材の他にも、土壁や砂壁、プラスターなど
さまざまなマテリアルがあり、風合いはまったく異なります。
また、たっぷりとコテ跡を残しながら塗るか、コテで押さえてフラットに仕上げるか。
仕上げ方によっても印象はさまざまです。
一面の壁を左官で仕上げるだけでも、空間の雰囲気はぐっと変わります。
暮らす人の好みによって、いかようにも趣を変えるのが左官仕上げの醍醐味。
リノベーションで取り入れてみてはいかがでしょうか。