足場の寸法には2種類の規格があることをご存じでしょうか。
この記事では足場職人、建設工事に携わる人が知っておきたい足場の2つの規格、見分け方などについてご紹介します。
足場の寸法には2種類の規格がある
足場の寸法には、インチ規格とメーター規格の2種類があります。
インチ規格とメーター規格は混ぜて使うことはできません。
両者の寸法の違いは数センチ程度ですので見分けにくく、混ぜないように注意が必要です。
インチ規格
インチ規格は足場の長さがインチの単位で作られた足場です。
1インチ=0.0254メートルで換算し、最も長いもので1829mm、短いもので610mmとなります。
枠組足場は米国で開発された足場ですので、日本国内でも枠組足場を使う際はアメリカで採用されているインチ規格がよく利用されています。
メーター規格
メーター規格はインチで換算すると日本人にはなじみにくいことから、メーター単位でキリのよい数字で作った足場です。
メーター規格の足場の寸法は最も長いサイズで1800mm、短いもので600mmとなります。
くさび式足場は1800mm、1500mm、1200mm、900mm、600mmと、300の倍数となっています。
インチ規格よりもわずかに短いため、軽量で運送コストが抑えられるというメリットもあります。
足場のインチ規格とメーター規格の見分け方
足場の規格を正確に見分けるには実際に長さを測るしかありません。
インチ規格とメーター規格の寸法は近いため、一見しただけで見分けるのは非常に難しいです。
また、足場の組み立てでインチ規格とメーター規格を混ぜて使うことはできません。
見分けが難しいため、混在させないことが大切です。
足場は設置基準を守って組み立てる必要がある
足場を安全に組み立てるため、足場作業に従事する人を守るために法令で細かな設置基準が設けられています。
安衛則564条では高さ2メートル以上の足場の組み立て、解体など行う際には以下のルールを定めています。
・作業内容の周知徹底を行う
・作業区域内へ作業員以外の立ち入りを禁止する
・悪天候時は作業を中止する
・足場材の緊結、取り外し、受渡しの際には原則として幅40cm以上の作業用床を設置する、要求性能墜落防止用器具を使用する
・材料、器具、工具等の上げ下げには吊り鋼、吊り袋等を使用する
法令を遵守して安全な足場を設置する
足場の2つの規格や足場の組み立ての基準について解説しました。
2つの規格を混ぜて使うことはできませんので、足場の計画の際にどちらの規格で設置するのか決めておく必要があります。
足場を安全に組み立てるためには法令で定められたルールを守って、作業員1人ひとりが安全で安心な仮設足場を設置するという意識を持って取り組むことが大切です。