やまだ業務店

珪藻土にも種類があります。

▶︎漆喰vs.珪藻土

最近では住まいにも健康志向や環境志向が重視されるようになったためか、
壁材も化学物質を含まない自然由来のものを多く取り入れるケースが増えています。
その代表が漆喰と珪藻土です。
どちらも優れた特性を持っていますが、双方を比較したときにどのような違いがあるのでしょうか。

調湿性に関しては、
漆喰は、下地に土壁があることである程度の調湿効果が期待できるものの珪藻土に比べ漆喰自体の調湿性は低い。
珪藻土は、珪藻土自体に抜群の調湿性があるため、下地に土壁を使わない場合でも優れた吸放湿効果、脱臭効果を発揮。

固まる力に関しては
漆喰の方が、原料である石灰自体が固化する力を持っているため壁材に適していると言えます。
珪藻土には漆喰や粘土のようにそれ自体には固化する力がないため“固める”ための添加剤を混ぜる必要がある。

見た目は好みでや採用する部屋の雰囲気によって選ぶ必要があります。
漆喰はモダンな印象を与え、珪藻土は素朴で柔らかな印象のお部屋作りに最適です。

 

 

▶︎珪藻土にも種類があります

ひとくちに珪藻土と言っても、グレードがあります。
一般的な珪藻土とより上質な珪藻土にはどのような違いがあるのでしょうか。

大事なのは孔(ポア)の大きさ
珪藻土が湿気を吸放湿することができるのは、無数に空いたポアと呼ばれる孔のおかげ。
じつはこの孔の大きさと数が、珪藻土のグレードを決めます。
しかし、ただ、小さければいい、多ければいいというわけではなく、
湿気を吸放湿する上で最適な孔の大きさ、数であるかどうかが重要。
ミクロポアといって小さすぎても、マクロポアといって大きすぎてもその機能は十分に発揮されません。
じつは直径が2〜50nm(ナノメートル)の孔を持つ珪藻土が理想で、業界では「超・珪藻土」、
別名「メソポア」と呼ばれています。

ミクロポア(直径2nm未満)極小の孔により吸湿機能は大きくなるが、
吸い込む一方で吐き出す=放湿する力が弱いのが難点。
〈備長炭/竹炭/ゼオライト/活性炭など〉

メソポア(直径2~50nm)湿度が高い状態では余計な湿気を吸い込み、
乾燥してくると逆に孔の中に取り込んだ湿気を吐き出し、部屋の湿度を自然に調整してくれるのがこのメソポア構造。
〈超・珪藻土〉

・マクロポア(直径50nm以上)珪藻土として市場に流通している大半は、このマクロポア構造の珪藻土。
同じ、大きさの孔を持つ軽石やスポンジは、水はよく吸うものの湿気を吸う機能はない。
〈軽石/スポンジ〉

 

▶︎何をどれくらい配合しているか?

優れた性質を持つ珪藻土ですが、漆喰とは違いそれ自体では固まらないので
壁材として用いる場合は別に固化剤を添加する必要があります。
しかし、この固化剤の選び方次第では、珪藻土の持つ吸放湿機能をスポイルしてしまうことも。
たとえば“のり”などの自然素材を固化剤にすれば問題ありませんが、
樹脂など化学製品を用いるとせっかくの孔がふさがれてしまい性能を十分に発揮できません。
そればかりか、有害な化学物質がお部屋に拡散することでかえって健康を害する結果になることも。
また、固化剤の含有率も珪藻土の品質を左右します。
一見、同じように見える珪藻土でも成分の大半が固化剤という粗悪な製品もあり注意が必要です