タイルの種類
タイルの種類にはいくつか分類があり、工事の際はそれぞれの利点を踏まえて実施します。
・素地による分類
「陶器質タイル」「炻器(せっき)質タイル」「磁器質タイル」の3つに分かれます。
陶器質タイル
陶土・石灰などの原料を1000~1200℃で焼いて作ったもので、美しい色合いを見せるのが特徴です。
若干吸水性があり、たたくと濁音がします。
炻器質タイル
粘土・長石などを1200℃前後で焼いて作ったものです。
磁器質タイル
石英・長石などを1200~1350℃で焼成したもので、たたくと金属質な音が鳴ります。
吸水性はほとんどありません。ですが、摩耗や霜に強い性質を持っています。
・用途による分類
内装・外装・床・エクステリアなどの用途が挙げられ、それぞれに適したタイルが採用されます。
内装タイル
建物の内壁に使われ、大体柔らかめな陶器質タイルが選ばれます。
外装タイル
建物の外壁に用いられるので内装タイルとは異なり、強度が高く吸水率の低い磁器質・炻器質のタイルが使われます。
床タイル
床のタイルは「耐摩耗」に優れていることが前提となります。
そのため、外装タイルと同様、丈夫な磁器質・炻器質のものが選ばれるのです。
エクステリア(外回りの地面)
床タイルと同じです。防汚・防滑に優れたタイルがよいでしょう。
また、エクステリアとしてタイルを使うと、日差しの関係で思った以上に「白っぽく見える」特徴があります。
したがって、タイルを選ぶときは「少し色の濃いもの」を選ぶようにしましょう。
・成形方法による分類
「乾式成形タイル」と「湿式成形タイル」の2つに分かれます。
乾式成形タイル
高圧のプレス機で「粉状の原料」を所定の形状・寸法に成形したものです。鮮やかな色合いを生み出すことができます。
湿式成形タイル
水分を多く含んだ原料を「押出成形機」によって押し出し、所定のサイズに切って成形したものです。
・釉薬(うわぐすり)の有無による分類
釉薬とは「焼成によって溶けたガラス質の皮膜」を差し、種類が2つに分かれます。
施釉(せゆう)タイル
釉薬に含まれる顔料により表面の色を作ります。
無釉(むゆう)タイル
タイルの原料である粘土には鉄分が含まれていると覚えておいてください。
1つはその呈色(ていしょく)という「発色・変色を伴う化学反応」によるもので、「土もの」と呼ばれるタイルです。
そして、上記とは別に「練り込み」と呼ばれる「白地の素地に顔料で着色したタイル」があります。
・焼成方法による分類
酸化焼成タイル
酸素の割合を増やして焼成したものです。「素地・釉薬」に含まれる金属と酸素を結び付け、別の化合物に変えています。
還元焼成タイル
酸素の割合を減らして焼成したものです。「素地・釉薬」に含まれる金属から酸素を除去して作ります。
タイルには様々な種類があり、内装にも外装にも使える便利なものです。
用途ごとに適したタイルを選びましょう!