インテリアのイメージを大きく左右するのが床や壁、天井といった内装材。
特に壁の仕上げ材は、さまざまな素材、デザイン、機能を持つ商品が豊富に揃っており、
何を選べばいいのか、悩む方も多いと思います。
ここでは、プランニングの前に知っておきたい、内壁仕上げ材の種類や特徴、選び方のポイントをまとめました。
内壁材は、空間の用途や暮らし方などを考慮して選ぶ
内壁材は、デザイン性はもちろん、空間の使い方や暮らし方に適したものを選ぶことが基本です。
たとえば、リビングやベッドルームには温かみのある風合いの素材を、
幼い子供の部屋には汚れが落としやすいものを。
トイレや洗面室であれば、清潔感のある耐水性のあるものがいいでしょう。
取り入れる空間に必要な性能や機能の持つ素材かどうか、
ショールームやカタログで事前に確認した上で選ぶようにしましょう。
一般的な住宅で取り入れられる内壁には、クロス(壁紙)や塗壁、木、タイル、パネルなど多種多様な素材があります。
各メーカーから、豊富な商品バリエーションが揃っているので、予算や好みに合わせて自由に選ぶことが可能でしょう。
ただし、素材によっては、施工方法や施工条件など専門的なことも関わるため、
こだわりがある場合は、早めに設計担当者と相談することが大切です。
クロス(壁紙) ビニールクロスや紙クロス、織物クロスも
一般的な住宅の居室空間で最も多く使われているのが壁紙と呼ばれるクロス。
素材によって、ビニールクロスや紙クロス、織物クロスなどに分類され、それぞれ豊富な商品が揃っています。
部屋のイメージに合わせて選びたいですね。
■ビニールクロス
塩化ビニール樹脂などを主な素材とするビニールシートに紙などを裏打ちしたもの。
最も多く用いられている素材で、ハウスメーカーの商品住宅などでは、標準仕様となっているケースが多くみられます。
比較的安価なものから揃い、色やデザインのバリエーションも豊富、プリントを施したものだけでなく、
凸凹のあるエンボス加工、発泡させたタイプなども揃っています。
施工がしやすいのも特徴で、耐久性や清掃性にも優れ、調湿性などを持たせたタイプなどもあります。
■紙クロス
パルプが原料の洋紙を原紙に、プリント加工やエンボス加工を施したもの。
欧米では多く用いられる素材で、輸入住宅などに取り入れているケースも。
植物のコウゾやミツマタを原料とした和紙、月桃の茎から繊維を取り出しパルプにした月桃紙、
一年草のケナフなど原料としたものなどもあります。
■織物(布)クロス
平織りや綾織、不織布などがあり、温かみのあるテクスチャーや重厚感が魅力ですが、価格は比較的高め。
ホコリを吸着しやすいので、お手入れははたきをかけるか掃除機を用いるといいでしょう。
その他、環境への配慮からオレフィン樹脂などを用いたもの、薄くカットした天然木やコルクなどを紙と張り合わせたもの、
聚楽(じゅらく)壁紙、珪藻土壁紙などもあり、その素材や加工方法などは多種多様。
また、汚れ防止や防カビ・抗菌、耐水性、ペット対策などを施した商品も増えてきているので、
用いる空間に適した機能を持つ商品を選べます。