湿式工法と乾式工法は、それぞれどのような住宅で使われやすいか
こちらでは、湿式工法と乾式工法のそれぞれが、どのような住宅で用いられるかについて見ていきましょう。
【湿式工法の外壁が用いられる主な住宅】
・ファッション性や個性を重視する都市部の住宅
・天然素材にこだわる自然派の住宅
・伝統工法で建築されているなど、工業製品である乾式外壁材を使用しにくい住宅
【乾式工法の外壁が用いられる主な住宅】
・低価格で安定した品質が要求されるローコスト住宅
・シンプルで無難な外観が求められやすい地方部の住宅
・推奨する工法がある程度指定されている大手ハウスメーカーの住宅
数十年前までは主流だった湿式工法ですが、
現在ではオリジナリティやおしゃれ度を重視する住宅で多く採用される傾向にあります。
また、乾式工法はマニュアル通りの組み立てを行えば作業者の技量の影響をあまり受けず
均等な品質で施工できるため、現代の住宅では主流の工法となりつつあります。
とはいっても、今後湿式工法の外壁が減少の一途を辿ってしまうということはないでしょう。
湿式工法で欠かせない左官作業は今では伝統工芸に近い要素を持ちつつあり、
湿式の壁材が持つ防火性や調湿性能や仕上げの自由度などを好む人は一定数いるからです。
湿式工法は乾式工法より高くつく? それぞれの費用を比較。
湿式工法の外壁と乾式工法の外壁では、工事にかかる費用も異なります。
一般的には湿式工法はコストが高くなり、乾式工法は比較的コストを抑えられると言われています。
【湿式工法(塗り壁)の施工費用の相場】
・新築の場合:約1,500,000円
・既存の外壁の上に塗り壁を施工する場合:約2,000,00円
【乾式工法(サイディング)の施工費用の相場】
・新築の場合:約1,000,000円
・既存の外壁の上からサイディングを貼る場合:約1,500,000円
上記はあくまで目安となり、詳細な工事内容や外壁の面積などで費用は前後します。
しかし、乾式工法は工事そのものも簡素で手掛けられる業者の数も湿式工法と比較してかなり多いため、
業者間の競争などもあって低価格で施工できる傾向があります。
ただし、乾式工法の外壁は15~20年ほどの経過を目安にいずれは大がかりな補修が必要となりますが、
湿式工法の外壁は適正なメンテナンスさえ行えば塗り替えなしで100年以上持つこともあると言われています。
まとめ
外壁の湿式工法と乾式工法の工法・費用などの違いや、各工法が適した住宅などについてご紹介しました。
ご予算やお好み、外壁に求める性能などさまざまな要素との兼ね合いを考慮し、
ご自宅に合った外壁工事を選択することが大切になります。
今後何十年と暮らしていくマイホームですから、長い目で見たお得さ・快適さをしっかり比較しながら
新築・リフォームの計画を立ててみてください♪