外壁の工事には「湿式工法」と「乾式工法」の2つの施工方法があります。
それぞれ工事の仕方や適した住宅が違い、同じ外壁の施工法ですがまったく異なる特性を持っています。
しかし「正直、どんな違いがあるかよく分からない」という方も多いはずです。
そこでこちらの記事では、湿式工法と乾式工法の違いを具体的に説明しながら、
どのような住宅にどちらの工法が合うかなどについてご紹介します。
工法や工事期間で違いを比較
まずは、湿式工法と乾式工法の工事内容の違いから見ていきましょう。
湿式工法とは、モルタルや漆喰・土壁材などの塗り壁材を施工現場で水と混ぜて練り、
それを刷毛やコテなどで下地材の上から塗って仕上げていく工法です。
「材料が水を含んでいる=湿式」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
乾式工法とは、あらかじめ工場で規格に基づいて生産された建材を必要な分だけ施工現場に持ち込み、
それらを組み立てて貼り付けたり引っ掛けたりする手法で壁面の下地材の上から取り付けていく工法です。こ
ちらも、「材料が乾いている=乾式」と覚えるとわかりやすいでしょう。
湿式工法と乾式工法の大きな違いとして、まず「工事期間の長さ」が挙げられます。
一般的に、湿式工法のほうが工期は長くかかり、乾式工法は工期が短く済むとされています。
外壁の乾式工法における代表的な施工法「サイディング取り付け」を例にとると、
着工から完成まではいくつかの工程に分かれますが、日数の目安を見ていきましょう。
【新築住宅の場合】
トータル日数の目安:約10~18日
【既存住宅の外壁にカバー工法で施工する場合】
トータル日数の目安:約8~19日
湿式工法の場合は工期の目安が特定しにくいのですが、
この理由は塗り壁材の乾燥・効果にかかる期間が天候や気温などの影響を受けやすいことにあり、
一般的には乾式工法よりも多くの日数がかかるとされています。
湿式工法の代表的な施工法「漆喰の塗り壁」を例にとると、
実際の施工期間は「1か月程度」としている実例が多くなっています。
しかしこれらも目安とすることは難しく、季節やそのときの外的環境などが工期に影響するため
一口に「○日程度を見ておけばよい」とは言い切れないのが現状です。