左官工事は、土・モルタル・漆喰といった壁材を「鏝」を使って塗るのですが、
傍から見れば、単純な作業に見えるかもしれません。
しかし、実際には左官さんが下地・中塗り・上塗りを重ねるなどの
表面をならして仕上げるという工程を行っています。
ならし作業も美しく仕上げる必要があり、高い技術を要求するケースばかりです。
ちなみに、職人の域となるには約5年ほどかかると言われています。
▶︎鏝の使い方
鏝を使うのが左官の特徴ですが、
これまではムラなくといった仕上がりを要求されていました。
しかし現在では、デザイン性まで求められています。
波模様、ストライプ柄、扇状など、表情豊かな鏝さばきを魅せています。
使い方もテクニックが必要になり、
材料を鏝に乗せる量、壁に対しての鏝の角度などによって仕上がりが異なります。
また、モルタルや漆喰は厚めに塗り重ねることもポイントになるようで、
保温・断熱効果が期待できるようで、燃えにくい素材を上手に扱えるのが左官のウリ、
火災に強いのであれば、左官工事による壁塗装のリフォームもオススメです。
鏝は利き手に持ちます。
反対の手にはコテ板を持ちましょう。
鏝に材料を乗せるのにもコツが入るのですが、オーソドックスなのは、
鏝を持っている方の手首をひねり、鏝の腹を上向きにするようにして乗せる方法です。
しかし、難しいようならば、壁にコテ板を沿わせ、そのまま鏝で材料を壁に乗せ、
鏝の平らな面で塗り拡げるのが良いでしょう。
まっすぐ均一な力で滑らせることで、鏝の筋が残らないフラットな仕上がりが期待できます。
ムラになれば、ならす技が必要になりますが、
熟練の技になるので、DIYの塗りならばラフ仕上げで補いましょう。
▶︎職人の腕前とDIY
もちろん、左官によるならしで仕上がり良く施工できるでしょう。
しかし、DIYで左官を楽しみたい人もいるはずです。
建物の壁のみならず、床を漆喰やモルタルで仕上げることができます。
DIY専門のショップも増えていますし、ホームセンターでも鏝や材料は手軽に手に入ります。
漆喰や珪藻土などの自然素材は健康住宅(ロハス)に利用されていますし、
インダストリアルなインテリアに取り入れるケースも増えています。
もちろん、ならしの作業は難しさもありますが、
味が出るので一度はチャレンジするのもありでしょう。
漆喰や珪藻土などで壁を塗ることで、湿度調整ができます。
▶︎左官鏝の種類
実に様々な種類の鏝が販売されています。
先の尖った鏝のみならず、先の丸いもの、四角や太いものまであります。
材質、形、仕上げによって選ぶことができるので、
鏝選びを失敗しなければ、技術がなくともある程度の完成型に仕上がるでしょう。
材質には、鉄・ステンレス・木などがありますし、土間専用もあります。